教員を退職するとき新たな道へ進む前向きな気持ちと共に、お金のことで悩むことがあるかもしれません。
本記事では、教員の早期退職を考えているあなたが、お金で悩まずに諸手続きを済ませられるように徹底解説します。
この記事を通じて、教員の早期退職で悩む方々が前向きな気持ちをもって、新たな人生をスタートすることができるよう、お手伝いできれば幸いです。
この記事から分かること
公立学校教員の退職金について
公立学校教員は失業保険がない代わりに、退職金をもらうことができる
あなたが、公立学校の教員=公務員である場合、雇用保険には加入できません。
そのため、失業保険の給付を受けることができません。
その代わりに、退職金をもらうことができます。
退職金は、住民税の支払いのことも考えて使わないといけないね。
失業保険がないから、退職金は大切に使いましょう。
退職金をもらう手続きは書類を書くだけ
事務職員が準備してくれた書類を書いて、提出すれば完了です。
見本や様式にそって書くだけなので簡単ですが、分からないことがあれば事務職員に聞きましょう。
実際に、僕が退職の書類を書いたときは書類2枚だけだったので20分もかかりませんでした。
事務職員さんが付箋を付けて書き方が分かるようにしてくれたので、それを見て写すだけでした。
退職金が振り込まれる口座番号を、通帳で確認したぐらいです。
退職書類は提出期限があるから注意してね。
書類を書くこと自体は簡単なので、安心してください。
退職金の金額は、退職日の給料月額 × 支給率 + 調整額
退職金の金額ですが、
になります。
勤務年数 | 退職金 |
1年 | 約10万円 |
3年 | 約30万円 |
5年 | 約65万円 |
7年 | 約100万円 |
10年 | 約175万円 |
15年 | 約380万円 |
20年 | 約780万円 |
このように勤務年数が長いほど、受け取れる退職金は増えます。
僕の場合、2級74号給で退職金は下記の金額でした。
講師経験を加味した勤続7年なので、退職金が少し多めです。
自分の等級は、4月1日の発令通知書で確認できます。
それぞれの個人実態や勤続年数によって退職金は変わるね。
調整額は、勤務年数10年を超えないともらえません。
退職金をもらえるのは4月末頃(3月31日付で退職した場合)
教員が3月31日付で退職した場合、退職金をもらえるのは4月末頃になります。
4月に入ってすぐ退職金をあてにしている場合は、少し注意が必要です。
退職金が受け取れなくなる場合=懲戒免職
懲戒免職という言葉を聞いたことがあるものの、どこか他人事ととらえがちですよね。
懲戒免職は公務員の処分の中で最も重く、罪を犯した場合等で処分(解雇)されることです。
例えば、飲酒運転・横領・窃盗などした場合は、懲戒免職です。
懲戒免職になった場合、基本的に退職金は支払われません。
定年間近でも、退職金は支払われません。
懲戒免職になると、公務員への再就職や一般企業への転職も厳しくなります。
他人事と思わず、十分気をつけないといけないね。
近年、公務員の不祥事に対する処分は厳罰化していますね。
※他には退職日の翌日から公務員として採用されている場合も、在職期間が通算されるので退職金がもらえません。
定年まで働いた場合の退職金は平均約2200万円
公立教師の定年退職金は平均約2200万円で、大企業の大卒とほぼ同額です。
ただし、地方自治体によって退職金の金額が異なります。
2022年度の教員退職金額トップ10は下記の通りです。
順位 | 都道府県 | 60歳定年退職者の平均支給額 |
1位 | 兵庫県 | 約2327万円 |
2位 | 静岡県 | 約2305万円 |
3位 | 三重県 | 約2291万円 |
4位 | 京都府 | 約2290万円 |
5位 | 神奈川県 | 約2282万円 |
6位 | 岡山県 | 約2279万円 |
7位 | 鹿児島県 | 約2267万円 |
8位 | 山形県 | 約2264万円 |
9位 | 宮城県 | 約2252万円9千円 |
10位 | 大分県 | 約2252万円8千円 |
ちなみに、2022年度の教員退職金額ワースト3は下記の通りです。
順位 | 都道府県 | 60歳定年退職者の平均支給額 |
1位 | 沖縄県 | 約2061万円 |
2位 | 青森県 | 約2152万円 |
3位 | 埼玉県 | 約2174万円 |
退職手当の支給状況から算出
総務省|給与・定員等の調査結果等より
トップとワーストでは、260万円くらいの差があるね。
地方自治体によって、退職金の金額も変わってきます。
公立学校教員の離職率は約0.4%と低い
公立学校教員は、定年退職や勧奨退職、早期退職等の退職を除く、普通退職の離職率は約0.4%です。
総務省が発表している、地方公務員の退職状況等調査から算出
令和2年度地方公務員の退職状況等調査より
公立学校教員の離職率は低いことが分かります。
公立学校教員の年金について
公立学校教員の時は、厚生年金として加入していましたよね。
退職した後は、年金の加入手続きの方法が、再就職する場合としない場合で変わってきます。
再就職する場合、新しい会社が行ってくれる
就職先で、厚生年金の加入手続きをして加入します。
基本的に新しい会社が行ってくれます。
すぐ再就職しない場合、国民年金への加入が必要
退職により厚生年金から抜けた場合、国民年金への加入が必要です。
すぐ再就職しない場合、国民年金への加入方法は二つに分かれます。
- 国民年金の加入手続きをして加入する。
- 配偶者等の扶養に入る場合は、配偶者の勤務先で国民年金の加入手続きをする。
1の場合、住所地の市区役所または町村役場で手続きをします。
2の場合、年金保険料を自身で納める必要がありません。
参考元:>>日本年金機構
公立学校教員の健康保険について
公立学校教員の時は、共済組合に対して、健康保険料の支払いを給与引きでしていましたよね。
退職した後は、健康保険料の支払い方法が、再就職する場合としない場合で変わってきます。
再就職する場合、新しい会社が行ってくれる
就職先で、健康保険組合の加入手続きをして加入します。
基本的に新しい会社が行ってくれます。
すぐ再就職しない場合、三つの方法に分かれる
すぐに再就職しない場合、健康保険への加入方法は三つに分かれます。
- 任意継続制度を利用(現在の共済組合を任意継続する)
- 各自治体の国民健康保険の加入者になる
- 配偶者等の扶養に入り、健康保険の加入者になる
1の場合、公立学校教員の時に加入していた共済組合に、2年間継続して加入できます。
2の場合、国民健康保険申請は共済組合を脱退したあと、市区役所の保険業務担当窓口で届出を行います。
3の場合、健康保険料を自身で納める必要がありません。
参考元:健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
参考元:国民健康保険制度 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
僕は、1の任意継続度を利用しています。
年1回払いが少しお得だね。
僕は任意継続、年1回払いを選択しました。
僕は給料以外につみたてNISAで副収入を得ていた
公務員は副業禁止ですが、つみたてNISAは副業に該当しません。
つみたてNISAは資産運用なので、副業と判断されることはないからです。
iDeCoのように勤務先への報告も必要ないですし、確定申告もいりません。
僕はつみたてNISAとインデックス投資に、教員の給料を回していました。
2024年からは新NISAが始まるね!
新NISAを利用すれば、教員も早めのFIREが狙えます。
つみたてNISAや新NISAについての詳細は、別サイトの新NISAの教室で解説しています。
\ 知識0の初心者も大丈夫 /
転職に向けて準備をしておく
教員から転職を考えている場合、できるだけ早く転職に向けて準備しておかないと取り返しがつきにくいです。
\ 教員におすすめの転職サービス /
各年代に特化したサービスも解説
転職は自己分析から始まる
転職成功のためには、まず自分自身を深く理解し、自分の強みや弱み、興味や価値観を明確にすることが重要です。
自己分析することにより、自分にとって最適な職種や業界、企業を見つけやすくなります。
自分の強みが分からない場合、ミイダスの診断ツールがおすすめです。
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自己分析ツール以外にも、キャリアアドバイザーからアドバイスを受けることで、自分の強みや適性を見極めることが可能です。
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転職エージェント・転職サイトに登録する
転職エージェントは、キャリアアドバイザーが面接日程や条件交渉など全て代行してくれるので、転職活動する時間があまりない人におすすめです。
転職サイトは、時間をかけてゆっくり転職したい人や、他人との関わりにストレスを感じる人におすすめします。
上の画像は、1年以内に転職経験のある20~39歳の200人に、マイナビが調査した結果です。
「転職エージェントと転職サイト、どちらも登録した」が29%で一番多いことが分かります。
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転職エージェント・転職サイトが無料の理由
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無料でさまざまなサポートが受けられます。
副業準備を始めておく
教員は収入源が1つしかありません。
副業準備をしないと損です
人生100年時代、そもそも教員の収入だけでは安心できない時代です。
僕は在職中に再雇用の先生3人に話を聞くと、
- 退職金と年金だけではやっていけない
- 税金としていろいろ引かれる
- 細々と暮らさないといけない
と話してくれました。
退職金と年金だけでは、定年まで働いても安心して生活を送れなくなるでしょう。
だから、定年退職後も再雇用として働いている人が多いですよね。
できるだけ早くから、副業準備として他の収入源を手に入れるために動き始めましょう。
\退職前から準備して、お金の不安を減らそう/
お金で悩まない人生にしたいよね。
早めに副業準備をしておきましょう。
まとめ:お金のことで悩まず、退職の手続きを進めよう
本記事では、教員の早期退職を考えているあなたが、お金で悩まずに諸手続きを済ませられるように徹底解説しました。
最後に、内容を整理します。
★公立学校教員の退職金について
- 退職金をもらう手続きは書類を書くだけ
- 退職金の金額は、退職日の給料月額 × 支給率 + 調整額
- 退職金をもらえるのは4月末頃(3月31日付で退職した場合)
- 定年まで働いた場合の退職金は平均約2200万円
★公立学校教員の年金について
- 再就職する場合は、厚生年金の加入手続きを新しい会社が行ってくれる
- 再就職しないorまだ決まっていない場合は、国民年金への加入が必要
★公立学校教員の健康保険について
- 再就職する場合は、健康保険組合の加入手続きを新しい会社が行ってくれる
- 再就職しないorまだ決まっていない場合は、大きく三つに分かれる
★転職やお金に関する悩みを解決するための方法
教員の早期退職に向けて進めていると、お金のことで悩むことがあるかもしれません。
退職する際の諸手続きについて見通しをもつことで、安心して退職に向けて進めることができます。
あなたも前向きな気持ちをもって、新たな人生をスタートしませんか?
お金のことで悩まない人生にしよう。
退職と並行して副業準備も進めてくださいね。
\退職前から準備して、お金の不安を減らそう/
チョクです